家裁の手続き

  • 家庭に関する事件全般について

    家事事件

    家庭に関する事件全般を家事事件といいます。
    この家事事件を扱う裁判所を家庭裁判所といいます。

    離婚、養子縁組、相続、遺産分割、遺言、成年後見、不在者等、誰にでもおこる身近な問題です。手続は、人事訴訟、審判、調停の手続があり、事件により、調停前置主義がとられています。

  • 婚姻・親子・養子縁組の関係確認に係わる訴訟について

    人事訴訟

    婚姻関係、親子関係、養子縁組関係という身分関係があるのか無いのかという確認を目的とする訴えに係わる訴訟のことです。

    ⑴ 婚姻関係訴訟
    婚姻の無効および取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効および取消しの訴えならびに婚姻関係の存否の確認の訴え。

    ⑵ 実親子関係訴訟
    嫡出子の否認の訴え、認知の訴え、認知の無効および取消しの訴え、民法773条の規定により父を定めることを目的とする訴えならびに実親子関係の存否の確認の訴え。

    ⑶ 養子縁組関係訴訟
    養子縁組の無効および取消しの訴え、離縁の訴え、協議上の離縁の無効および取消しの訴えならびに養親子関係の存否の確認の訴え。

  • 争いの有無に分けて規定された審判事件について

    家事審判事件

    争いのない甲類と争いのある乙類に分けて規定されています。

    ⑴ 甲類審判事件
    後見開始等の審判およびその取消し相続の限定承認の申述、相続の放棄の申述、遺言書の検認、遺言執行者の選任、失踪宣告など。

    ⑵ 乙類審判事件
    夫婦の同居その他の夫婦間の協力扶助に関する処分、婚姻から生ずる費用の分担に関する処分、財産分与に関する処分、親権者の指定または変更、推定相続人の廃除およびその取消し、寄与分を定める処分、遺産分割に関する処分など。

  • 人事訴訟や家庭事件などの調停について

    家事調停事件

    家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件について、調停を行います。
    甲類審判事件については、争いが無いので、調停事件からは除かれています。
    調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする場合、まず、家庭裁判所に調停の申立をしなければなりません。これを、「調停前置主義」といいます。

    調停事件は次のように分類されます。

    ⑴ 一般調停事件
    離婚、離縁、認知事件などの人事訴訟事件、その他の家庭事件を対象とします。

    ⑵ 乙類調停事件
    乙類審判事項を対象とします。
    乙類審判事項については、審判手続と調停手続、どちらを選んで申立を行うことも可能です。
    ただし、家庭裁判所はいつでも職権で審判事件を調停に付することができるので、まず、当事者の合意を基礎とする、調停手続の申立を行うのが、実務的です。

  • 審判と調停の違いについて

    審判と調停の違い

    審判は、家事審判官による当事者への審問、家庭裁判所調査官による調査等職権主義を採用し、その結果を審判書にし、申立の認容あるいは却下の処分を行います。裁量的に当事者の協議に代わる処分を行うことになります。

    調停は、家庭裁判所調査官による調査が行われる場合があり、調停に必要な情報が収集されます。当事者間の合意を形成することを目指し、合意が成立したときには調停調書が作成され、確定判決と同一の効力が生じます。
    調停が不成立になった事件のうち、乙類事件に該当するものについては家事審判事件に移行しますが、それ以外のものはここで手続が終了します。

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